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洞杉・洞杉群

巨石を抱えた巨木群は魚津のパワースポット


洞杉とは、天然生のスギの古木、巨木です。
名前の由来は、幹の内部が空洞になっているものが多いことからそう呼ばれるようになったと言われています。
生育地は、片貝川南又谷の標高500~700m前後の斜面~稜線で、大型の転石・露岩の多い急斜面地に多く生育しています。過去の調査では大小合わせて124本が確認されていますが、人が近づけない場所を含めてそれ以上の数が生育しています。樹齢は古いもので一千年、若いものでも数百年は経っていると思われます。
洞杉の多くは、巨大な石を抱え込むような形で生息しているのが特徴で、南又谷地区の豊かな自然環境とあわせ他に類を見ない素晴らしい景観を作り出しています。
環境省が平成11・12年に行った巨樹・巨木調査では、洞杉は主幹の幹周が1,560cmあり、樹種別の巨木”杉単体”部門で新潟県の将軍杉(1,931cm)、鹿児島県の縄文杉(1,610cm)についで3番目の巨木となっています。
平成16 年に有志が行った調査で、最大の洞杉は四本の株立ち幹周り合計が3,018cmと計測されました。(参考地)

■確認済の樹木(洞杉)の本数(大小合わせて)
(1)竜石神社の対岸台地の字ノコギリバ(三ケ村共有地)36本
(2) (1)の対岸大又(個人所有地) 32本
(3) (2)より上流の杉尾の台地   42本
(4) (3)の少し上流の左岸台地   13本 

■特徴
異形な物が多い。根曲がり、主幹の無い株立、合体、伏条など。
特に地上数mの高さまで主幹がなくなっているのは、過去に積雪時に雪面の高さで伐採し、雪上を滑らせて運搬した名残とも考えられます。 又、岩の上に生育したものが大半を占めます。巨岩(花崗岩・岩盤)をかむ巨木が群生する景観は他に例を見ません。巨岩は地下の岩盤とはつながっていない転石です。

■岩上の生育した理由
・他の樹木との競争が少ない 
・積雪が消えるのが早い 
・急斜面にあって岩の部分は傾斜が緩い

≪魚津周辺のスギの歴史≫
Ⅰ.最終氷期に南方に退避していたスギが、約6000~5000年前頃(縄文時代)温暖期に富山県周辺まで分布を拡大してきました。(最終氷期でも平野部に断片的に残存分布していた可能性があります)
Ⅱ.片貝川付近に達したスギは、さらに北方へ分布を拡大すると同時に、山間部へと広がっていきました。
Ⅲ.片貝川上流では、他の植物との競争が少ない急傾斜地や岩の上などに定着し、もっとも温暖だった約5000年前頃には標高2000m以上まで広がりました。
Ⅳ.最温暖期が過ぎ寒冷化始まると、高い標高域(およそ1600m以上)のものは種子繁殖が困難になり、伏条更新などの栄養繁殖で子孫を残しつつ衰退しました。(現存するスギの生育最高 地点は大明神山の2070m)
Ⅴ.種子繁殖可能な標高域(およそ1500m以下)のものはそのまま世代交代しながら群落を維持しました。(約3000年~2000年前の小海退期には、海岸近くの湧水地帯にスギ林が達し  ていたが、約2000年前からの温暖化による海面上昇で埋没林となりました。)
Ⅵ.平野部のスギは開墾等の人為的影響で姿を消し、地形の険しい山間部のものが残されました。
Ⅶ.明治期から第2次世界大戦頃にかけ、洞杉は天井板などの装飾的な木材として珍重され切り出されたものもあるとされています(澤崎氏らの報告による。)

現地では携帯電話は通じません。落石、クマ・スズメバチなどの野生生物などには十分注意が必要です。
また、現地は民有地です。植物の採取等は慎みましょう。

TRIVIA

TRIVIA
【オススメ】
市道南又線を約1350m入った地点に駐車場があります。ここから先は洞杉周辺の豊かな自然環境を守るため、マイカーの乗り入れ自粛区域となっています。自然を眺めながらゆっくり歩いて洞杉に行くと感動も倍増です!(往復5km余、約2時間のウォーキング)

【遊歩道】
洞杉は片貝県定公園内に主に群生しています。魚津市により遊歩道が整備されています

【急流河川】
洞杉のある南又付近は片貝川の源流です。毛勝山(2414m)や僧ヶ岳(1855m)など北アルプスの急峻な山麓にあって、片貝川の勾配は8.5%という日本屈指の急流河川です

Information

場所 魚津市三ケ杉ノ尾
交通アクセス 魚津ICから東へ約15km(県道132号線に「洞杉巨木群」の看板案内あり)
市道南又線駐車場から先は、周辺の自然環境保全の目的でマイカー乗り入れ自粛区域となっています。
駐車場 市道南又線駐車場  障害者用2台を含めた25台 マイクロバス2台
関連サイト 片貝県定公園(魚津市農林水産課)
その他 【施設・設備】トイレ、撮影スポット、ペット同伴可、体験型

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