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僧ヶ岳の雪絵
季節を告げる風物詩
僧ヶ岳の雪形(雪絵)は、季節を告げる風物詩として魚津市民にも親しまれ、かつては農耕や川の水量の目安とされていました。雪形として全国的にも評価されています。
雪形、雪絵とは、山肌の残雪やそこから覗く岩肌などの形を、人物や動物などの形に例え名前がつけられたものです。
雪形の名前が山の名前の由来となったものも少なくありません。魚津市民に親しまれる僧ヶ岳も残雪で縁取られた山肌が「尺八を吹き、馬を引く僧の姿」が現れることからその名がつきました。かつては「僧馬岳」という名も使われていました。また、僧ヶ岳の雪形は進行過程により、初期・中期・完成期・末期と変化が見られ、その過程によって僧や馬の他に、山肌で縁取られた「白い兎」、残雪と山肌が混交した「鶏」などもみられます。初期には、「僧」の後ろに「大入道(虚無僧)」と「猫」の雪形が現れるが、やがて「大入道」と「猫」が融合して「馬」になります。このように、僧ヶ岳の雪形は刻々と変化します。
■僧ヶ岳の雪形は、全国的にも評価されていますが、その理由として、次のような点があげられます。
1.三つ雪形の基本が揃っている。(残雪の雪形、山肌の雪形、残雪と山肌の混合)
2.雪形の種類が豊富である。(兎、僧、虚無僧、猫、馬、猪)
3.雪形が刻々と変化する。(三つのタイプ)
・単独で変化する。(僧の上と下が離れているのがつながる。)
・複合する。(僧が袋を担いでやがて馬を引く)
・融合する。(大入道と猫がくっついて馬になる)
4.雪形の変化を農耕などの目安にする。
5.水系で雪形の名前が異なる。
(馬の素地という見方、虚無僧と猫に分けて見る見方などがある)
6.水系(布施川流域、片貝川流域)で目安が異なる。(農作業の目安、灌漑用水の目安、水遊びの目安など)
7.雪形には物語がある。
参考文献等
新川広域圏 水博物館構想推進室 HP
僧ヶ岳雪絵について 日本海学講座2000年5月13日富山県民会館
1、富山の雪形とその伝承 講師:長井真隆(前富山大学教授)
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