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坪野のつなぎがや
親鸞上人手植の霊木
坪野集落北方の山腹に自生し、樹高約15m榧(かや)(イチイ科)の木で、1本の根元から3本の幹が分かれ、主幹が約3m、支幹が各々1mで、樹齢約400年と推定されています。この榧(かや)の木は、ある年は、葉の表面が裏返り、裏面が上を向いています。次の年は又表面が上になって正常に戻ります。表裏が反転し、繋いだように見えることから”つなぎがや”と呼ばれる珍しい形態を有する大木であります。
承元(1207~1211年)の頃、親鸞上人がこの地を通過された折に植えられたものとされ、村民も崇敬し霊木とされています。江戸時代は加賀藩の儀式用に、毎年「かやの実」3斗の上納を義務付けられていました。富山県には、榧(かや)の変種で多雪地帯に適応したチャボガヤが多く分布しているが、大木となるはほとんどなく、この木は貴重な存在と言えます。秋には沢山の種子が実り、昔は村人がこれを拾って食用にしていました。干ばつの続いたある年に枯れたと偽って伐採したと言われています。その為、現在の樹は「ひこばえ(切り株から出た芽)」だと言われています。
坪野地区では”つなぎがや”がある坪野の山林を『クリキンディの森』と名付けボランティアの会員を募集し里山再生活動が行われています。
参考文献等
魚津の文化財(魚津市教育委員会)
シリーズ魚津第2集 伝説うおづ(広田寿三郎、沢崎寛、田代昭夫 編)
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